優しいプチ家出
何かに打ち込む人は美しい
目標を持ってそれを達成するために努力する人は、凄い
私は何もしたことない
いいなぁ、そんなに熱くなれて と思う
行動力が無いわけじゃない
大した経験じゃあ無いが、随分前に1度も乗ったことのない新幹線にたった1人で飛び乗って京都まで行ったことがある
どうやって調べたのか なぜそんな動源力があったのかわからない
ただあの時は無性に家から出たかった
親に心配と迷惑をかける私は家にいてはいけないとアホなことを考えた末の極安全なプチ家出気分の小旅行だった
京都にいる友達を頼って泊めてもらい、1泊2日でろくに観光もせず終えた小さすぎる小旅行
その後友達に誘われて再び新幹線に乗ったがチケットの買い方などまるっきり忘れて困った
1人で新幹線に乗る帰り道が好きだ
段々と見慣れた夜景が近づいて来る感じや、普段じゃ味わえないようなスピードで移動する新幹線特有の乗り心地
新宿のビル郡がいくつも夜の空に伸びていて、人工的な明かりが宝石みたいに瞬いている
あれってタワーマンションってやつかなぁ
いつか住んでみたいなぁ
なんてことを考えながら旅の疲れでだるい体と重い荷物を引きずっていつも使う冴えない電車に乗り込んで、家路に着く
思えば随分甘ったれたプチ家出だったなぁ
アレコレと親に面倒を見てもらい、心配され
行く先でも友達に頼りきり妙な駄々をこねて迷惑をかけてしまった
当時はわからなかったけど沢山の人に守られたから私は傷一つつかずに帰宅することができたことが今になってやっと理解出来る
人から優しくされたり、大切にされている最中はそれに気づけないって なんて愚かなんだろう
振り返ってはじめて気づくことができる
そういう類の優しさが、本物の優しさなんだろう